ビル管理システム(BMS)の主な機能とは?

ビル管理システム(BMS)は、オフィスビル、病院、工場、研究施設などの建物を安全・快適かつ効率的に運用するための仕組みです。
中でも重要なのが「監視・通知機能」「操作機能」「データ収集・分析機能」「スケジュール制御機能」「連動・自動制御機能」といった基本的な機能群です。
本記事では、それぞれの機能がどのような役割を果たしているのか、一般の方向けに分かりやすく解説します。
設備の状態を常に見守る「監視・通知機能」
監視・通知機能は、建物内の空調・照明・電力・給排水・防災・防犯といった設備の稼働状況をリアルタイムで監視し、異常があれば即座に担当者へ通知する機能です。
監視機能の例
- 空調や電気、水回りなどの状態を24時間体制でモニター
- モニター画面に設備の稼働状態や異常を表示
- トラブルの兆候を早期に発見し、事故や停止を未然に防止
通知機能の例
- 異常をメールやSMSで自動通知
- アラーム音や画面表示で即時警告
- トラブルの履歴を記録・保存し、再発防止に活用
メリット
工場の温度異常や病院の給水トラブル、研究室のクリーンルーム異常など、重大事故の前兆を即時に把握し、素早い対応を可能にします。
遠隔・自動で設備を制御する「操作機能」
操作機能は、設備のオン・オフや設定変更を管理画面から行える仕組みです。
現場に行かずに操作できるため、迅速かつ効率的な管理が可能です。
例
- 空調設備(温度・風量の調整など)
- 照明(エリアごとの点灯・消灯)
- 換気設備や給排水ポンプの制御
メリット
休日にビル全体の空調を一括停止する、研究施設の特定区域だけ温度を変更するなど、柔軟な対応が可能になります。
建物全体の情報を蓄積する「データ収集・分析機能」
BMSは、センサーや機器から得られる様々なデータ(温度、湿度、電力量、水使用量など)を記録・分析します。
例
- 過去の運転履歴をグラフや表で確認
- 異常発生の傾向を分析して予防保全に活用
- エネルギー使用量を把握し、省エネ対策を検討
メリット
病院での設備異常の再発防止、工場のエネルギー最適化など、効率向上に役立ちます。
時間に合わせて自動で動かす「スケジュール制御機能」
この機能は、あらかじめ設定された時間にあわせて設備を自動で動かすものです。
人の操作が不要なため、効率的な運用が可能です。
例
- オフィスの照明を営業時間内だけ自動点灯
- 研究室の換気を毎朝決まった時間に開始
- 工場の夜間照明を自動で消灯
メリット
無駄な稼働を防ぎ、エネルギーコストを削減できます。
また、管理者が毎日操作する手間を省くことができます。
複数の設備が連携して動く「連動・自動制御機能」
異なる設備同士を連携させて、自動で制御する機能です。
ある設備の動作が別の設備をトリガーとして起動・停止する仕組みをつくれます。
例
- 火災報知器が作動すると、自動で空調停止+防火シャッターを閉鎖
- 人感センサーが反応すると、照明と空調が同時にオン
- 窓の開閉にあわせて換気装置が自動調整
メリット
利用者の快適性を保ちつつ、省エネや安全性向上にも貢献します。
まとめ:安心・快適・効率的な建物を支えるBMS
ビル管理システムの各機能は、単なる設備操作にとどまらず、安全性の確保、利用者の快適性向上、省エネルギー、保守点検の効率化など、さまざまな面で現代の建物運用に貢献しています。
オフィスビル、病院、工場、研究施設など、それぞれの建物用途に合わせて、最適な管理ができる仕組みが整っているのです。
BMSは、まさに建物の頭脳とも言える存在。今後ますます重要性が高まる分野です。