エアハンドリングユニット、ファンコイルユニット、パッケージエアコンの構成、メリットやデメリットを紹介
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計装マスター
G-NSJTRMHH78
ビルや工場、商業施設の空調システムでは、ダクト内の風量や風向を自動で調整する「モーターダンパー」が重要な役割を担っています。
快適な室内環境を保つためにも、省エネや防災対策のためにも、適切な制御が必要不可欠です。
しかし、「ON/OFF型と比例制御型の違いって?」「スプリングリターンって何?」「どこにどれを使えばいいの?」と、意外と知られていないのが実情です。
この記事では、空調設計・メンテナンス・制御の現場で活用される電動モーターダンパーについて、種類・制御方式・メリット・デメリットをやさしく解説します。
電動モーターダンパーとは、空調用ダクト内の風量・風向を自動で調整するための装置です。
ビル・工場・商業施設などの大規模空調設備で使われ、空調効率の向上や省エネ、安全性の確保に大きく貢献しています。
電動モーターダンパーには大きく分けて以下の3種類があります。
制御信号 | 無電圧接点・単純なスイッチ制御 |
用途 | トイレ排気、厨房排気、換気扇との連動 |
特徴 | 完全に開く or 閉じる だけの動作 |
制御信号 | 0〜10V、4〜20mA などのアナログ信号 |
用途 | VAV制御、外気導入、温湿度制御 |
特徴 | 0~100%の範囲で開度を比例制御できる |
制御信号 | 二位置 or 比例制御 + スプリングによる復帰動作 |
用途 | 防火ダンパー、排煙制御ダンパー、緊急遮断用、DCなどの重要系統 |
特徴 | 停電時などに自動で元の位置に戻る安全設計 |
ダンパーとは、空気の通り道(ダクト)に取り付けられた “風の蛇口” のようなもので、開ければ空気がたくさん流れ、閉じれば空気が止まります。
主に2種類のダンパーがあります:
ダンパーは単純に「開度50%なら風量も50%」とはいきません。実は 開ける角度と風量の増え方にはクセ(非線形性) があります。
したがって、平行翼ダンパーには二位置制御型(ON/OFF)モーターダンパーを、対向翼ダンパーには比例制御型モーターダンパーを用いるのが、適切です。
空調設備の省エネ化・快適性の向上・安全確保において、モーターダンパーの選定は見落とせない要素です。
✔ 設置場所と目的に応じて「適切な型式」を選ぶ
✔ 比例制御で「無駄な送風を抑え、省エネ」
✔ 重要系統の非常時対応には「スプリングリターン型」を忘れずに